休憩追い出され事件

雨の日は休憩の場所に苦労する。無断で人の家の車庫を借りることもあるが、敷地には入らないようにしている。でも、この日の車庫は微妙で…。
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雨の日の休憩

朝から、雨に降られたり止んだりの繰り返しの上に、向かい風も強く、進むのに苦労する。雨の日は4㎞歩いて休憩というわけにはいかず、少し長めに歩いて屋根がある場所を見つけたら休憩をとるという変則的な歩き方になる。

その事件は3セットめの休憩の時に起こった。「地方の人は旅人には優しく、寛大である」という都会人の私の勝手な思い込みのもとに、私はよく人の家の車庫などを休憩の場所に使うことがある。

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大間崎

しかし、一応良識ある大人として、家の門を入っていかなければならないような車庫には入っていかないようにしている。そうすることで、その家や事務所の人に迷惑をかけたことは一度もなかった。この日までは…。

おじさん家の車庫

その家は、今思えば確かに微妙だったような気もする。家の門ではなかったが勝手口のような所から少し入ったところに車庫はあった。

しかし、ものすごい雨と強風にいいかげんやられていた私は、迷うことなくその車庫を休憩場所として選び、入っていった。ザックを下ろし壁にもたせかけて、それを背もたれに休憩をする。いつものパターンである。

すると、休む間もなく人の気配と声がする。見ると家の裏口におじさんがいて何か言っている。しかし雨と風の音でよく聞こえない。仕方なく「歩いて旅をしている。10分ぐらいで出ていくので雨宿りをさせて欲しい」というようなことを大声で説明する。

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海沿いを歩く

するとおじさんは「こっちへ来い」というように手招きをするので、私は地方でよくあるように家の中に入って少し休んでいけという意味なのだろうと思い、ゼスチャーで丁寧に断った(つもりだった)。おじさんは家の中へ入っていった。

残念な出会い

2、3分もたっただろうか。疲れた身体を休めていると突然さっきのおじさんが現れる。どうやらカサをとってきて雨の中を車庫まで来たらしい。「何してるんだ!」と怒鳴られる。

私は「こりゃまずいな」と思ったが「歩いて旅をしている。雨が強いので少し雨宿りをしていた。あと5分もたてば出ていくので休ませて欲しい」という旨を誠意を込めて説明した。

しかし、おじさんは激怒して自分の主張ばかりを怒鳴り続け、私の言うことなど全く聞いてくれなかったので、私もかなり頭にきて暴風雨の中を追い出された形になり、やけくそで歩き出す。

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今日の宿・吹越駅

今思えば、あの暴風雨の中を歩いていく一人の若者を、おじさんはどういう気持ちで見送ったのだろう。非常に残念な出会いであった。