Christmas in the Blue

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クリスマス・イブの朝、起きると体調が悪い。朝ご飯も食べられず、帰京の決意を固める。「Christmas in the Blue」のメロディが繰り返し流れていた。

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風邪にも負けず…

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錦帯橋

岡山県津山市で総距離2,000㎞を越えた私は、中国山地内でのあまりの寒さと寒気から吹き出して来る冷たい北西の季節風のおかげですっかり風邪をひきながらも、コルゲンET錠などの風邪薬とビタミンCをとるためのバナナを毎日の友に連日の寒さの中を歩き続けていた。

計算によれば年内に本州の西の終点の下関までたどり着けるはずだった。広島で山陽路に出、岩国までは順調だったが、事はそううまくは運ばなかった。

クリスマス・イブの朝

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朝の岩国駅

12月24日、クリスマス・イブである。朝、目覚ましより少し早く6時過ぎに目が覚める。岩国は錦帯橋の近くの国民宿舎の一室である。こんな時は「あぁもったいない」と思い必ず寝直してしまうのだが、今朝に限ってはそれができなかった。妙に腹が痛いのだ。

急いでトイレに行くと、確かに下っている。寝ている間に冷やしたか、と思い、もう一度布団に入る。しかし、ここで今度は変に呼吸が荒いことに気づく。何かとても具合いが悪いような感じである。

慌てて熱を計ったら37℃ぐらいだったが、朝にしては高く、さらにまだまだこれから上がりそうな感じがあったので、これはもう旅を続けるのは無理か、と弱気になる。

一応、出発の用意をして朝食を食べにいくも、これがほとんど食べられない。今まで朝食は3杯半、タ食は2杯半食べていた好物のご飯が一杯も食べられなかったことで今日の歩行は無理だと判断された。

Christmas in the Blue

ここに残って1、2日静養してからまた歩き出すという手もあったのだが、もう年末が近く、しかもこの弱っている体力では復活してもまた風邪でもひいてしまいそうな感じだったので、ここは潔く一度帰京する決意を固め、宿をチェックアウトする。

しょぼしょぼ降る雨の中、錦帯橋の近くのバス停からバスで岩国駅へと向かう。気持ちの悪さと寒さ、そして失意の中の帰京とあって気分は最悪だった。

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失意の帰京

結局、岩国から広島までは鈍行で行き、広島から新幹線を使って東京まで帰った。新幹線の中でもひたすら気持ちが悪く、腹も痛いので何も食べられずに苦しい時間をひたすら堪え忍ぶだけであった。

頭の中では山本英美の当時のヒット曲「Christmas in the Blue」が繰り返し繰り返し流れていた。