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ラジオカー担当のお兄さんがスタジオに事情を説明してから,いよいよ私の出番である。頭にはスタジオのアナウンサーの2人と話をするためのヘッドホン,手にはマイク。そのマイクを握る手が汗ばむ。
「こんにちは〜」アナウンサーの方の第一声。
「こんにちは〜」私の第一声。
「まず,名前は何とおっしゃるんですか」
「石原淳と申します」
私は名前を名乗るときには,必ず名字だけではなくて名前の方までフルネームを名乗るくせがある。それは私が自分の名前をたいへん気に入っているからであるが,この日もアナウンサーのお姉さんは,生出演が終わった後の放送では私のことを名前で呼んでいたのが印象的だった。
「石原さんはずっと歩いて旅をしていると聞きましたが,どこから出発したんですか」
「北海道の最北端,宗谷岬です」
「いつ頃出発なさったんですか」
「9月26日です」
「で,目的地は?」
「九州の佐多岬,本土最南端です」
この時点では本土最南端の佐多岬をゴールに設定しており,有人島では日本最南端にあたる沖縄県波照間鳥を最終ゴールに設定するのはまだ先のことであった。
「え,じゃあ全部で何日ぐらいで,いつごろ到着する予定なんですか」
「そうですね,全部で100日,来年の1月の後半ぐらいですかね」
「じゃあ正月はどうするんですか」
「正月はしかたないので一回帰ります」
「そうしたら,また年明けにはそこまで汽車で戻って歩き始めると…」
「まぁそういうことです」(笑)
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